社会保険労務士 水野裕之のブログ

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カテゴリ:労働条件( 5 )
労働条件通知書について
労働基準法第15条によると労働契約の締結に際して賃金や労働時間その他の労働条件を明示しなければなりません。さらに賃金及び労働時間に関する事項その他厚生労働省令で定める事項に関しては、労働者に書面を交付しなければなりません。

なぜ、労働者の雇入れに際し、必要かというと最初にお互いの労働契約の内容を明確にすることでその後のトラブルを防ぐためがあります。
例えば、雇用する側としては、これだけ高額な給与を出しているのだから、残業代を請求するのはおかしいと思い、残業代を支払わなかったとしましょう。しかし、働く側は、残業を恒常的にしており残業代が出ないのはおかしいと思い請求した場合どうでしょうか。

上記の場合は、給与がその他の労働者に比べて高く、しかも支店で責任者の扱いで働いていたため実態としては、管理監督者(労基法第41条)に当たり
(ブログhttp://himawaoff.exblog.jp/i5/ 管理監督者参照)深夜割増賃金以外は、対象外となると思います。しかし、会社で後からこれを主張しても働く本人にその自覚がなければ意味がありません。
その際に最初に明確にこの制度を説明し署名に明記しておけば、そのような誤解はまねかなくてもよかったのではないでしょうか。

また労働基準法上、必ず定めなければならない、絶対的明示事項としては、下記があります。

【絶対的明示事項】
(1) 労働契約の期間
(2) 就業の場所、従事すべき業務
(3) 始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間・休日・休暇、労働者を2組以上の分けて交替に就業させる場合における就業時転換に関する事項
(4) 賃金(退職金、賞与等を除く)の決定・計算・支払いの方法、賃金の締切・支払の時期、昇給に関する事項
(5) 退職に関する事項
 
※従事すべき業務は、具体的かつ詳細に明示すべきですが、将来従事させようという業務を併せて網羅的に明示することは差し支えありません。

※退職に関する事項は、退職の事由及び手続、解雇の事由等を明示しなければなりません。 しかし、明示すべき事項の内容が膨大なものとなる場合には、労働者の利便性をも考慮し、労働者に適用される就業規則上の関係条項名を網羅的に示すことで足ります。
 また、退職には、任意退職、定年制、契約期間の満了による退職等も含みますが、退職手当に関する事項は含みません。

さらに定めがある場合は、明示しなければならない相対的記載事項は下記があります。
【相対的明示事項】
(1) 退職手当の定めをする場合は、労働者の範囲、退職手当の決定・計算・支払いの方法及び支払の時期に関する事項
(2) 臨時の賃金等及び最低賃金額の定めをする場合は、これらに関する事項
(3) 労働者に食事、作業用品その他の負担をさせる定めをする場合は、これに関する事項
(4) 安全及び衛生に関する定めをする場合は、これに関する事項
(5) 職業訓練に関する定めをする場合は、これに関する事項
(6) 災害補償及び業務外の傷病扶助に関する定めをする場合は、これに関する事項
(7) 表彰及び制裁の定めをする場合は、種類及び程度に関する事項
(8) 休職に関する事項

上記の中でも労働者に署名の交付が必要な場合は下記のとおりです。
【書面の交付により明示しなければならない事項】
(1) 労働契約の期間
(2) 就業の場所、従事すべき業務
(3) 始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間・休日・休暇、労働者を2組以上の分けて交替に就業させる場合における就業時転換に関する事項
(4) 賃金(退職金、賞与等を除く)の決定・計算・支払いの方法、賃金の締切・支払の時期に関する事項
(5) 退職に関する事項

※書面により明示しなければならない事項は絶対的明示事項と全く同じように思えますが、昇給に関する事項については書面交付の必要はありません。

※上記規定によって明示された労働条件が事実と相違する場合には、労働者は、即時に労働契約を解除することができます。この場合、就業のために住居を変更した労働者が、契約解除の日から14日以内に帰郷する場合には、使用者は、必要な旅費を負担しなければなりません。必要な旅費には、家族の旅費も含みます。ここでいう家族の範囲は、労働者により生計を維持されてきている同居の親族(内縁を含む)をいいます。
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by himawari-office | 2007-10-29 15:23 | 労働条件
解雇基準
一番、相談を受けるのは、やはり「解雇」の問題です。
これは、実際にあった相談内容ですが、内容が詳細に書くと当事者を想定される場合がありますので省略あるいは、多少変更してありますのでご了承ください。

相談内容
「ある営業マンの方が、その日の営業記録にある方と営業のため訪問と記入し、上司に報告、しかし、実際は、その方と訪問した形跡はなく、事実ではない営業記録を提出していたことが判明。過去にもそういったことを日常茶飯事的にしていたことを重く見た会社は、この営業マン30日前に予告解雇した。その後、営業マンは、ある苦情処理機関に相談し、不当解雇を訴えて紛争になる。」

上記で30日前に解雇予告している点から労働基準法上の解雇手順からは合法的に解雇しておりますので問題ありません。しかし、解雇自体が不当解雇であれば、無効になることもあります。相談を受けた際、私はまず、この点をチェックしました。具体的に言うと私のブログの中の解雇権の濫用にあたるかあたらないかを見ます。http://himawaoff.exblog.jp/5963377

そこを見ると具体的に濫用に当たる場合は下記のとおりと書いてあります。
①労務提供の不能や労働能力または適格性の欠如ないし喪失などが認められるか、②規律違反の行為があったか、③使用者側に経営上の必要性が認めれらるか等があります。

上記から②にあたることとなりますが、この会社は就業規則がないため具体的な解雇基準がありません。もし、就業規則の解雇事由に「営業勤務の者が提出する営業日報に事実でないことを記載して提出したことが判明したとき。」という一文があれば、その後の紛争にかなり有利なものとしてすすめられます。ないとなると最終的には、その解雇基準が社会通念上妥当か妥当でないかが問われます。このケースは、結局、営業日報が事実でないことを労働者は一部認めていることもあるが、過去のことについてその場で本人に対して指摘せず、また、注意を促してもおらず、事実関係も曖昧な点もあることから弁護士を立てて不当解雇に関する紛争へと発展していきました。

このことから就業規則というものがいかにその後の紛争防止のために有効かが大きなポイントです。あくまでも就業規則は絶対的な存在とまではいいきれませんが、会社あるいは、働くかた双方への働く上での目安、基準として役立つことは間違いないですね。
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by himawari-office | 2007-10-23 12:54 | 労働条件
最低賃金とは何?
【最低賃金制度とは】
・・・最低賃金法という法律より毎年、雇用や景気動向を踏まえて国が最低賃金を定め、それ以上に労働者に支払わなければならない制度です。

【最低賃金の制度の対象者は】
・・・原則として事業場で働く常用・臨時・パート・アルバイトなど雇用形態や呼称の如何を問わずすべての労働者とその使用者に適用されます。

【最低賃金制度の適用除外について】
・・・労働能力が異なることで最低賃金制度を当てはめると雇用の機会が得ることができない場合は、使用者が国の許可を受けてこの制度の適用を除外することができます。その対象者は下記のとおりです。

【最低賃金の適用除外を受けられる方】
1. 精神又は身体の障害により著しく労働能力の低い者
2. 試の使用期間中の者
3. 職業能力開発促進法に基づく認定職業訓練を受ける者のうち一定のもの
4. 所定労働時間の特に短い者
5. 軽易な業務に従事する者
6. 断続的労働に従事する者

【最低賃金の対象となる賃金について】
 実際に支払われる賃金から次の賃金を除外したものが最低賃金の対象になります。
1. 臨時、1ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金(結婚手当、賞与など)
2. 時間外、休日労働に支払われる賃金
3. 深夜割増賃金
4. 精皆勤手当、通勤手当及び家族手当

です。詳しくは、愛知労働局のHPを参考にしてください。
http://www2.aichi-rodo.go.jp/work/saitin01.html
 
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by himawari-office | 2007-10-16 15:36 | 労働条件
労働基準法91条の減給について
減給処分というのは、労働者が本来受け取るべき賃金の中から制裁として1定額を一方的に差し引く処分をいいます。

制裁というのは、遅刻、早退、職務上のミス等様々なものがありますが、そのときに必要以上に減給をして労働者の生活の安定を脅かさないようにするために91条があります。
これによると1回の事案につき1日の平均賃金の半額を超えて、また、総額が1賃金支払期における賃金の総額の10分の1を超えて減給してはいけないと書いてあります。

わかりにくいですが、遅刻早退があったときに働いていない時間を賃金を差し引くのは、制裁ではないためこの減給の規定にあたりません。それ以上に制裁として上記金額を減給できませんという意味です。これは、職務上のミスで会社に損害を与えた場合もこの規定を受けますが、降格処分の場合はどうでしょうか?
この解釈によると降格で例えば役職手当が減給になった場合を想定すると「資格や役職、職務の等級を下げるにともなって賃金を切り下げる場合は減給でなく制裁にあたらない」と解釈されます。しかし、職責をそのままにして単に賃金だけを下げる場合は減給とみなされ制裁の対象となります。

また、それですまない場合があります。例えば、仕事中に飲酒運転したときや会社のお金を横領したとき等は、就業規則にのっとり最も重い懲戒解雇扱いとなります。

(制裁規定の制限)第91条 就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、1回の額が平均賃金の1日分の半額を超え、総額が1賃金支払期における賃金の総額の10分の1を超えてはならない。
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by himawari-office | 2007-09-11 11:43 | 労働条件
管理監督者(労基法第41条)とは?

時間外労働や休日労働に対する割増賃金を支払わなくていい労働者を労働基準法41条で管理監督者といいます。この管理監督者であれば深夜割増賃金以外は、支払う必要がないこととなります。では、管理監督者というには、どのような人をいうのでしょうか。

一般的に管理監督者とは、
「企業経営の管理的立場にある者またはこれと一体をなす者」 であって、
「労働基準法の労働時間、休憩、および休日に関する規制を超えて活動しなければならない」とういう企業経営上の必要から認められるものです。
しかし、管理監督者と認められたとしても他の条項については、労働者と同じ扱いになりますので注意してください。

具体的な判断の基準として次のようなことがあげられます。
(1) 企業内での資格(経験・能力)や職位の名称にとらわれることなく、職務内容、責任と権限、勤務態様から判断すること。
(2) 定期給与である基本給、役付き手当などにおいてその地位にふさわしい待遇がなされ、賃金についても一般の労働者と比べ,優遇されていること。

但し、労働者本人が、自分は管理監督者でなく、割増賃金をもらっていないと主張することが考えられる場合の紛争防止として雇用契約書の付記欄に
「労働基準法第41条の第2項に基づく管理監督者に該当するため深夜割増賃金以外の割増賃金の支払い対象者から除外する」と明記して本人にも口頭で説明し書面を交付しておけば
後の紛争を防ぐ効果があると思います。

下記、労働基準法第41条を掲載しておきます。
第41条 この章、第六章及び第六章の二で定める労働時間、休憩、休日に関する規定は、次の各号の一に該当する労働者にはついては、適用しない。

一 第八条第6号(林業を除く)または第七号の事業に従事する者(農水産事業従事者
二 事業の種類にかかわらず監督若しくは管理の地位にある者又は機密の事務を取り扱う者
三 監視又は断続的労働に従事する者で、使用者が行政官庁の許可を受けた者


解釈例規も参考に掲載しておきます。

「一般的には部長、工場長等労働条件の決定、その他労務管理について経営者と一体な立場にある者の意であるが、名称にとらわれず実態に即して判断すべきものである」としている。(昭22・9・13基発17、昭和63・3・14基発150)基発150)


本条により労働時間の適用除外を受ける者であっても、深夜に労働した場合は、深夜業の割増賃金を支払わなければならない。ただし、労働協約、就業規則その他によって深夜業の割増賃金を含めて所定賃金が定められていることが明らかな場合には別に深夜業の割増賃金を支払う必要はない。(昭63・3・14基発150号)

これらの労働者に対して年次有給休暇の規定は適用されます。労働から開放され、休養をとり、労働力の維持、再生産は重要であるからです。
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by himawari-office | 2007-09-10 17:08 | 労働条件


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